最近注目を集めている星野リゾートという会社があります。
この会社ではそれぞれの組織の「ミッション」と「ビジョン」は経営者を含めた皆で考え、それが決まったらその組織運営、
つまりPDCAは現場で扱うという方式が取られているように見えます。
これは今までにあった分業組織でPDCAを機能させるマネジメントとは違うように見えます。
これも注目を集めている北九州市にあるバグジーという美容室チェーンでは、
経営者が意思決定をするという領域をできるだけ小さくし、
多くのことが現場の人びとで意思決定されて組織運営がされているといいます。
ここも、明らかにこれまでの経営方法とは違う形態が採られています。
マネジメントの仕方に異変が起きている、といっていいのかもしれません。
管理者が企画し、計画作りを指示し、作られた計画を経営者が意思決定する。
実際の運営は計画書にしたがって現場で行い、報告を上げる。
管理者や経営者がその報告内容を検討して計画を修正して再び現場に指示を出す、
こういう手続きがこれまでのマネジメントの手続きであり、様相でした。
それに変化が起きているようです。
何故、星野リゾートやバグジーはそのような方法を採用しているのでしょうか?
二つのことが原因しているように思えます。
一つは組織です。組織のサイズが小さくなりました。
それは、サービス業が中心の社会になっていることが原因すると思います。
サービスは大量生産するには適さない仕事です。
個々のお客様のニーズに対応するのがサービス業の特質です。
旅館や美容室はその代表選手です。大きな組織では分業化された機能が有効かも知れません。
が、大きな組織では迅速な適応は実現しそうにありません。
そして、二つ目の原因もサービス業に関連しています。
サービスという仕事は知的な仕事です。
マニュアルに書かれた事柄を忠実に実行すれば良い、というものではなりません。
目の前のお客の様子を見て、聞いて、感じて、対応方法を考え出す創造性が要求される仕事です。
よって、高いモチベーションが要求されるといっていいでしょう。
みんなが活き活きと働く環境づくりが不可欠です。
「内発的なモチベーション」がサービス業に欠かせません。
ということは作業者が自己決定できる領域が大きなマネジメントが要求されるのです。
- 組織の大きさが小さくなった、従来の大きな組織を動かしていたマネジメントの方法は適さなくなった
- サービス業では従来より高いモチベーションが要求され、従来のマネジメントの方法ではそのようなモチベーションは作り出せない。
つまり、新しい時代のマネジメント手法、実はそれがチームコーチングなのだと、そう考えています。
<文責 今給黎 勝<