【チーム創りの視点】 No.2
チームコーチング体験談
すでに60以上の現場で、チームコーチングを実施しています。十人十色といいますが、どの現場にもそれぞれの特徴があり、まさに六十人六十色とでも表現できるほど、ひとつとして同じ現場はありません。そして、それぞれの現場でまったく違うことが起きます。そのことと向き合うたびに、チームコーチングが何かを教えるプログラムではないということを実感します。チームコーチングで共通なのは、現場が勝利を手にするチームに進化することです。ゴールは共通ですが、スタートからゴールまでのプロセスはまったく違うのです。
ある現場では、セッション1からエネルギーの高まりが起こり、セッション2、セッション3と見事に進化していきました。彼らは、自らの現状を潔く受け取り、チームとしての柔軟性を発揮して、欲しい成果を手に入れるために、必要なことはどんなたいへんなことにも取組み、成果を手に入れるまで実践し続けました。
また、他の現場では、はじめはいいスタートを切ったものの、セッション2で停滞して、こちらをハラハラさせましたが、セッション3で見事に欲しい成果を手に入れたところもあります。そうかと思うと、セッション1ではどうなることやら・・・と思った現場が、セッション2から著しくシフトして、セッション3では、予想以上の成果を手に入れたということもあります。
これらの違いの要因を挙げれば、数限りなくありますが、重要なのは、その要因を知ることよりも、違いにどのように対応していくかといえます。異なる現場を比較することよりも、その現場がチームになるために、チームコーチとしてどのように関わるのかがポイントなのです。ですから、いつも、「この一瞬」が勝負です。持っている能力のすべてを一瞬、一瞬に注いでゴールに向かってベストを尽くしていくのです。
私達が携わる現場のみなさん、お一人お一人がほんとうに懸命に仕事に取組んでいます。サボるという言葉は既に辞書から消えているのではないかと思うほど、日々問題と格闘しています。そんな中で、現場のひとりひとりが、自らの現状をたな卸しして、「こんなに苦労していたけれど、結局は受身になってやらされ仕事をこなしていただけ」など、シビアに現状と向き合う瞬間に立ち会うたびに、エッジに立つこというのは、まさにこのことだと実感させられます。そして、エッジに立つ体験を自らが選択することが、変革の意欲と困難に立ち向かう勇気となり、チームへのシフトを加速する推進力を生み出すのです。
シフトした人たちは、動きが変わります。スピードと躍動感が増し、自由度が高まります。そのことが、お互いの人間関係を改善し、仲間を勝利に導くコミュニケーションを可能にして、現場が最も手に入れたい売上という成果を手に入れる原動力になるのです。
私が携わった現場の中には、年間目標を1ヶ月前倒しで達成したり、いままでの前提を手放して著しく高い目標を掲げてそれを達成したり、ほぼ同じ労働時間で活動量が2倍近くに増えたりと、本人たちですら想像し得なかったレベルで仕事に取組んでいるところがたくさんあります。そして、それらの現場の進化に、たくさんの勇気をもらっています。出会っているすべての皆様に感謝です。そして、この瞬間も、あなたの現場がチームコーチングを使って進化するチャンスがあるのです。