【チーム創りの視点】 No.1
グループとチームの違いは何か
私たちはグループとチームとは異なるものであると見なしています。
そもそもグループも単なる人の集まりではありません。グループにはそれぞれ存在理由や目的があり、メンバーはなんらかのゴールを共有しているものです。グループの人々はお互いに関わりを持っていて、彼らはこの関係性を認識しています。
企業の中では組織の階層の一部としてのワークグループを設置します。通常は管理者や監督者が意思決定のプロセスをコントロールし、ワークグループを導きます。テーマによっては、ワークグループの働きで組織の期待に充分応えられることもあります。組織によってはワークグループに「チーム」という名称を付ける場合がありますが、実際にはチームとしての機能を果たしてはいません。
チームは基本的には4名から10名で構成されます。多くても20名以内でしょう。チームは特別なタイプのグループであり、ゴールを達成するためにメンバーは協同で仕事をします。チームは明確な共通する目標を持った人々によって構成されたグループであり、特定のタスクを達成するために首尾一貫した協同関係を要求されます。つまりチームのメンバーは共通のプロジェクトのもとで共に働き、すべての人々がそのプロジェクトに責任を負っているのです。チームにはいくつかの機能があり、メンバーにはそれらの機能を果たす役割が期待されます。
チームのメンバーはチームの目的と目標、そしてメンバーの勝利に対して強いコミットメントを持ちます。その結果として、メンバーひとりひとりの能力の足し算による成果ではなく、シナジー効果が生じて目覚ましい成果と経験を手にすることになるのです。
「高業績チームの知恵」の著者であるJ.R.カッツェンバック+D.K.スミスは次のように書いています。 「真のチームというものは、自分たちの目的、達成目標、アプローチに強く関わり、自分のものとしている。また高い業績をあげるチームは、チームメンバーがお互いに信頼し委ね合っている。どちらのタイプのチームでも、協同作業による成果、個人的成長、それに業績達成の成果に焦点を当てることにより、チームの知恵がもたらされることがよく知られている。どんなに意味深長に表現したとしても、『チーム』というものは、常に高い業績目標を達成することを追求した結果なのである。」
実際、グループを作ることは簡単ですが、それをチームに成長させるのはいくつかの条件を整えていかなければなりません。優れたリーダーとチームコーチの存在なしに、勝つことを目的とする最強のチームを作ることは至難であると言わざるをえないのです。