東田直樹著『自閉症の僕が跳びはねる理由』の翻訳本が、
英米でベストセラー入りし、世界の注目を浴びていると
NHKの放送で知った。
番組を見て驚いた。
自閉症の人が人と対話し、文章を書く。それはとても珍しいことらしい。
先の書を読んで世界の多くの自閉症を子に持つ親たちが
「初めて自分の子供の気持ちを知った」と感激されたと。
東田さんの最近の著書「跳びはねる思考」(イースト・プレス発刊)を読んだ。
「僕は、二十二歳の自閉症者です。
人と会話することができません。
僕の口から出る言葉は、奇声や雄叫び、意味のないひとりごとです。
普段しているこだわり行動や跳びはねる姿からは、
僕がこんな文章を書くとは、誰にも想像できないでしょう。」
本文の中の一節である。
青年らしい将来への夢や、今考えていることが綴られており、
感銘を受けた。
そして興味を持ったのは
「なぜこのような欲求が生まれたのだろうか」
ということである。
自閉症の人が持たなかったことを
新たな習慣にしようという意欲、志といっていいのではないか。
同じ興味を持った友人とチャットで意見交換をした。
この志は、いろいろな仕事に取り組む人が持つ志、
「自分の今の仕事にイノベーションを起こしたい」
と同じではないのだろうかという話になった。
イノベーションへ向く志はどこから生まれるのか?
東田さんの話からヒントを得ると
「深い承認の体験」が一つあると思われる。
幼児の時のお母様の深い承認行動がつくったのではないか。
とすると、
イノベーションが起こりやすい組織を創るためには、
深い承認をし合う組織、チームをまず作る必要が有るだろう。
そして組織、チームが志を明確に持ち、
共有していることも必要ではないか。
このことを短期間に実現してくれるチームコーチングは、
今後、組織開発の切り札になっていくのではないか
という予感がする。
(文責:今給黎 勝)